思い出してしまった
噎せる夏のくるしさを
逃げられない町には
夕焼け小焼けも
遅ればせながら響くもの
とらわれてしまった
考えはじめたら
抜け出せない景色
頭より大きく居座って
季節逆行お手の物
宇田川町の先には
盆線香のにおいに似た店が
いやでも
蒸せる町を
思い起こさせるよ
いいから早く行っちゃいな
だーれも追ってはこないから
思い出に雁字搦めにならずに
きれいなとこだけ持ってけないかな
そんなことばかり考えるから
坂道のぼっただけで
夏の錯覚
暑くてくるしいのは
なにも西だけの話ではなくて
うずくまった記憶が1つでもあれば
それにつられて
噎せてゆくものよ