おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

人間と夜

人と交わることを避けた

怠惰は自分の心持ちに返る

指は動いて

声も出るけれど

聞くと話すが遠ざかる

 

否応なしに街に出れば

連れ添う人ばかり

当てられた気分は

持ち帰ることになり

またの嫌悪が街を遠ざける

 

断ち切った家族も

嚙み合わぬ友も

置いてきた恋も

後悔はないのに

 

振り切れていない

人と交わることを

やめては自分の心が持たぬ

気づいてしまって

すっと夜になる

 

夕のほうが怖いと油断していた

夜になる

昔からの人の言うことは正しく

夜は怖い

 

落ちてゆかないように

繋ぎとめよう

たとえ人の世に

心荒んでも

止めるわけにはいかないのだから