病が当たり前に
うたわれるようになった時節
もはや
ぼろぼろでも言いだせない
生まれついた影を苦を
呪い死んでゆくだけの気が
生きているうちからすることを
言えないよもう
言えないよ
人が病んでゆくことに
優劣つけるなどないけれど
後先はあり程度はあり
確実に呪いの側にいる
そんな気がしている
しているだけ
もう言えなくなった病は
また何十年と眠るのだろう
症状を持ち
なおかつ言語化でき研究できるという
稀有な存在が現れるまで
また日陰で眠るのだろう