おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

風の抱きしめ方

浜に出て

ずっと眺めて

真昼に泣いていたころは

 

つらい代わりに

逃げ場ない代わりに

よくよく知っていた

 

バスに乗り

狭い島を上り下り

酔いに項垂れていたころは

 

よわい代わりに

口出せぬ代わりに

今より知っていた

 

あぁなんて愛おしい生き物

僕たちがどれだけ足掻いても

愛でても

詩に認めても

 

とどかない

風の抱きしめ方