2本並んだペンを蹴り
旅に出るには若くない
しかし薄ら終わりが見えたなら
押し出されるように行くしかない
あるうちに
あるうちに
こんな命でもあるうちに
やりたいことが多すぎる
見たい心が多すぎる
1人さすらいの真似事に
排気と猫が通り行き
冬も真中という癖に
雪のひとつも落ちなくて
あるうちに
あるうちに
例えばきんとした冷えも
感ずることが多すぎる
残る心が多すぎる
足して2で割る相手なく
極める孤独に手並み越し
追い出されるならお手の物
始めよりこの星でなし
いるうちに
いるうちに
嫌った土地でもいるうちに
遂げたい熱がいくつある
終わる気もせぬ旅の夜