女は汚らしい手を使う
染められていきな
好き好きだから
春の陽気にやられるうち
取り返しのつかない
じわり染入る
酒の宴の
泣き腫らしなど
桜の下で溶けてしまいそうさ
分かりやすい悪役に
気を取られているうち
やわらかな身体
風靡く髪が
貴方を連れてゆくからね
ひとりぼっちに揺れてるうちは
まだ良かったと思う日が来るわ
帰り道の
袖掴む手を
其の侭信じて
黄泉への旅も近いさ
冷え込む気配薄れた春夜に
か細い声
ゆるんだ目のまま
貴方を連れてゆくからね