おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

弾き出された夏祭り

夏祭りはいつも

海からの花火

騒めきは遠く

距離よりも遠く

 

楽しげな子等は

そこに住んでいる

僕の体は

例えば隣に立っていても

そこには行けない

 

裕福だとか

気軽な感じの

そういう家の子等が行くものね

 

夏祭りはいつも

聞こえてはいて

鼓膜にしみつく

それがなぜか遠く

 

狭い県道

花火に向かう人等を掻き分けて

帰ったの1人で

 

仲間はずれは

教室や校庭じゃなくて

地球単位で起こっているのかな

そんなことをぼんやりと

だけど足取り確実に

感じてしまった夜だった

 

夏祭りは

投げ出されるには十分の

世界から

ひょいと外されて

つまみ出された気分になったの

 

好きなのに嫌い

ドンと花火音

背中で聞いた小さな子

 

夏祭りはいつも

海からの花火

まだ鳴りやまない

終われないような気がして

引き摺るのね そうなのね

僕みたいな生き物は