おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

駅前のエレジー

改札を出たときに

羽が生えたように軽くなって

ダイエット成功するどころか

立ち消えになっているのに

 

春の陽気がそうさせるのかしら

 

なんだか好きになれない

中途半端な田舎町だと

そっぽ向いていたけれど

込みいったビルの中の駅じゃ

こうもすぐ気にさらされない

 

ありがとう

春の日と

駅前すぐの木と風と

 

ぐらつくこともあるでしょう

気分が上がったすぐあとに

人生が途絶えることもあると

もう知っているから

織り込み済みでいいじゃない

 

暮れてなお美しい

桜葉は世を愛でる

私がそうはなれない分

純であろうとしてくれるのね

 

嫌いな町は嫌いなままで

昨日の彼是は美化できないままで

 

ありがとう

春の日と

駅前すぐの花と雲