雨の降りこんで真夏、
愛した覚えもない男を
思い出していたのだけれど
それもまた情緒と片付ける
悪い癖が出ている
雨つづきの縁側、
人塗れは御免だと帰りついても
自然との対話が待っている
成程、思うようには成らぬと
言っていたのはこのことか
煙草の匂いが嫌いになって
それだけ残すのも
如何なものか
もう少し何か建設的に
若しくは楽観的に
捉えられる感覚を
置いてくれれば良かったものを
雨つづきの縁、
呼ばれたつもりが
呼ばっているだけ
絡繰りもない
成程、思うようには果てられぬ
愛した覚えもないのだし
忘れてやるのが礼儀だろう
幸い、雨は予告道理
断続、至って健康
雨の降りこんで真夏、
何ならもっと来んねと
呼ばう思いだ