おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

十字を切るにはまだ早い

舟を降りたのよ

誰も知らないでしょう?

荷に紛れ

 

森に辿りつく迄

必死で走ったのよ

倒けて擦り剝いた

足を庇って

 

霊も露に

生きていたのよ

ねぇ  ノア

知ってるかしら

 

雨も注げば

愈愈だけれど

十字を切るには

まだ早い

 

舟を追ったのよ

誰も気づかないでしょう?

荷を負って

 

森を後にする迄

守ってくれたのよ

名前も知らない

精霊たちが

 

業も鼓動も

覚えているわ

ねぇ  ノア

聞いてくれるかしら

 

雨も還れば

遣り時だけれど

十字を切るには

まだ早い