おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夏は夜

懐かしさに噎ぶときも

夏は夜

蒸して奏でも半端に終る

 

もう自ずから

海へ向かうことはなく

あぁ無理くりの夏過ごしは

贈物だったのだと気づく

 

胸つぶれて恋しがるにも

夏は夜

思い返す時がいちばん強く脈打つ

 

犬に追われた運動場を

もう蟻の住処のように見下ろした

嫌でも大きくなった背と

なんら成長しない心持ち

 

懐かしさも嘆き節も

夏は夜

蒸せばその分 心に残る

 

じわっとじめっと

残るは残る

夏は夜