海町育ちの涙など
捨て場所は1つしかないじゃない
なんら洒落た音楽かけて車走らせなくても
そこにある
絶対に裏切らない
母と呼ばれるだけのことはある
多くを語らない
ただ波音に託すだけ
夏休み
1人に酔い
坂道を下れば先
汗もにじんでシャツで拭う
大きく息ができた浜
海町育ちの娘なら
誰だって1度は思うのよ
遠い向こうの世界にきっと
救いが愛が待っている
軽はずみ歌いだせば
必ずと言っていいほど聞かれていて
耳を赤くして帰る
ただ波音が残るだけ
夏休み
使いまわしの
言葉を飲んで向かう先
誰に言われても響かない
それがここでだけ受け取る海