おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

宿りの地から

生きていかなければならない辛さを

生きていける喜びだと呼びなさい

聖女はそう言って

私を窘めた

 

辛うじて見える庭には

何の季節か

葉が茂る

空気冷えこんでも盛るか

もう底を過ぎたのだろうか

 

いつの間に

 

優しい人は部屋を去って

尤もらしい言葉だけが

置いていかれる

泣きたくもなる

生きていたいわけじゃない

 

名前を知らない楽器の音

姿も見えないけれど

一度ふれてみたいな

怒られるから言えないけれど

 

昼ひなか見上げる天上

安売りしない雨や風や

もう幾つ季節を飲んで

一生目の振りを続けるだろう

 

気紛れに

 

落したのなら

落されたのなら

またいづれ

置いていかれる

泣きたくもなる

生まれたかったわけじゃない

 

昏い言葉は

彼の書には書いていないそう

従うのも癪じゃない?

抵抗する気力もないけれど

 

優しい人は世を捨てて

救う振りして心居座る

置いていかれた

恨みだなんだって

泣いても生きても

届かないなら

 

葉を起こして

土産としましょう

生きていたくもないから

もうヘトヘトに疲れて

休みをとるのは

此方でも其方でも

構わないわ