あまり感受の強い子を
原野に近い田舎町で
育てようとするでない
帰っていこうとするのだから
それは逞しくなるということでなく
より繊細に磨きがかかり
果ては儚く消えてゆく
そんなことも往々にして
起こってきた世でしょう
気づく者がないだけで
人の陰気に晒されるのも
娯楽なく噂話に明けくれるのも
斯くあるべきと決めたのは
いつでもそれで平気だった者
木々の狭間に開ける道を
何の気なしに辿れる子がね
信じられなくても
確かにいるのです
いなくなるのです
そんなことも往々にして
起こってきた世でしょう
気づく者がないだけで