良いも悪いも足早に去ってゆく中で
しゃぶり尽くした幸せを平気で吐き捨てる奴がいる
しんどいことは重なって世を儚む奴もいる
天が見ているなんて嘘だ
助けてくれるなんて夢のまた夢
それでも
天はあると思う
雨も恵みになり鬼にもなり
日は私の肌を痛めつけるけど
誰の幸せ願うでもなく
少し、恨みながら
小唄うたいながら
励まされたと思った節に
一瞬で裏切られた気分になり
刻一刻と変わる心情には
己がいちばんついてゆけない
わからぬものは
わからぬままで
言い伝えも破って唱えたくなる
必ず
天はあると思う
雨はあがれば形を失い
形ある物を壊しも実らせもして
誰の不幸に寄るでもなく
少し、ほっとしながら
小唄うたいながら
晴耕雨読と離れても
染みついた縁があるのだと思う
逃れられないえにしとも呼ぶ
必ず天はあると思う