混みはじめた5時の電車
倒れないようになじませて
見覚えのあるお菓子
黄緑の袋 大事に抱えてる人
終着駅よりさらに先
もう遠い小さな町の
香りに覚えがあるようで
嬉しくもなったものです
どこでだって何だって手に入る時代に
まだ細々とつづいているのね
ありがとう
名も知らぬ人
どうか足元手元もお気をつけて
人の減ってゆく各駅停車
ほっと座って眺めたのは
ちょうど川渡り橋渡り
暮れには早い夏のこと
終着駅よりさらに先
行きたい気持ちもあるもんね
いつの間にか降りてった人
寂しくもなったものです
どこでだってどうやっても生きていける身で
また細々と思いだすからね