蒸し暑くもなった
宵を待たずに祭り囃の
ずんとずんと近づく
五叉路の辺りで待っていて
1人でくぐらぬほうがいい
日暮れ、まやかし大通りは
止むに止まれぬ引き手がある
汗にぼやけて歩先狂う
連れてかれても知らないよ?
涼し夕風にも
乗せてお調子祭り囃の
もっともっと近づく
駅なら疾うに消えたようよ
現世だと思うほうが間違い
片道、まやかし大通りは
消すに消されぬ声の溜り場
湿り空にも気を取られて
連れてかれても知らないよ?
いつ始まった夕まつり
夢の中にいたつもり
そんなことしか今生は
身に詰むものがないように
思えた先から
いつのまに
五叉路の隅に立っていて
疾うにくぐった気がしたかい
日暮れ、まやかし大通りは
諦め悪く引き手がある
熱よ風よと愛でるうち
連れてかれても知らないよ?