夢に覚めても虚ろ時
眠り落ちても震う身に
故事に倣うまでもなく
どこにいるかは不確かで
高く隔てた壁の中
知らぬ汽笛が鳴る時は
思わずにいられよか
ひとつ確かにある輪廻
時を飛ばして数えてた
古い毒に育てられた身に
伝え噺をするまでもなく
いつにいるかは不確かで
凛と並んだ人の中
知らぬ宇宙が見える日は
思わずにいられよか
前に暮らした別時空
書きつければ
此処には残り
歌い継げば
節になっても
その知覚も
記憶も結局
突き詰めていけば不確かで
今目の前がぼやけるのに
知らぬ時代を生きたような
浮かれ別世を知っていたような
確かが迫る 其れ輪廻