おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

日のまじない

時計台の下

彼は花を買って

名も知らぬのに愛でていた

 

緑駆ける子は

待てど暮らせどの

此方の生き死にも知らぬもの

 

もう十何年前

酒飲みを断って

言い合いした日付だ覚えて

 

異国の砂糖菓子

口にしたら終わり

止もせず食みつづけた放課後

 

忘れても忘れても

押し寄せろ

遠ざからないための

まじないだ