寂れかけた駅の暮れ
行き交いに混じり埋もれてしまう
5分遅れに動じない
電光掲示板は流し見るだけ
そんなことよりね
あぁ思ってしまった
どうして皆
当たり前のように家族が在るのだろう
隣を歩き
言葉交わす
その営みが
通り過ぎざま
すれ違いどき
異空間に思えた
あちらはとても遠い遠い
揺られ電車の1人も
帰りつく場所が皆あって
誰も待たない誰からも待たれない
此方が異様に思えた
なんでよりによって
当てられる空気の中で
どうして皆の当たり前が
私にはないのだろう
寄り掛かりたい
役に立ちたい
決して高望みのはずではないのに
生きる人が
添う光景が
とても遠い遠い
異空間に思えた