熱を失ってからのほうが
人生は長く
暮らしは続くよどこまでも
田舎町の夏は
蒸して
怒鳴られて
大嫌いだったのに
綺麗がかって
どうかしてるな
思い出ばかりが
追ってきて
それから逃げるように
大人はこんなに難しいのか
虫に刺されて赤くなるのは
変わらないのに
夕焼け小焼けに
胸がやられて
それこそ焼けるさ
治りもしないさ
旋律と一緒に
景色も出てくる
病にかかってもう何十年だ
熱を失っても
感覚だけ残り
息苦しさがそのまま
生きることになり
耐えて耐えたはずなのに
また襲う
夏の夕のチャイム
追いかけてくるだろ