おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夜半烏

深夜の烏

居る筈のないところに宝

 

仮病は漏れず

然し己に

是で良いのかと

問いかける材料には

 

有耶無耶にはできぬ

飯食うための生業と

与えられた天命の

秤にかけて

どちらとつかず

 

何も成していないように見える

己の目からしても

 

真昼の凪

望んだ通りの進み口が

憎たらしく

褒めそやされる故郷

 

私にとって

そんな美しいものではなかった

 

陰険と呼吸苦を

浴びても浴びても

太陽と海の純粋

くそったれ

 

暮れ時の群れ

もう慣れこの焦燥

連れてゆかれるなら

霧孕んだ土地が良い

 

相容れぬ美しさは

目に毒 胸に雷

 

深夜の烏

居る筈ないところに居たから