おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

鳴き納めの宵

鳴き納めの宵

予報にはなかった

途切れとぎれの夏夜ね

 

ただに涼める季節が来るわ

待ち遠しくも寂しくも

 

抱き合わせの宵

路頭にも迷った

のらりくらりが夏よね

 

肌に擦れる赤い傷も

搔きむしり我慢に開けるまで

 

泣き合わせの宵

枕に顔埋め

過ぎてすぎてと夏夜は

 

唱えるだけで更けるから

わりとかわいいものにも映る

 

鳴き納めの宵

知らぬ間に叶った

変わり目に立ち会う夏夜で

 

ただに眺めるだけで苦しいわ

見えずとも聞き入るだけで