幸福のない国ならよかった
また降り時を間違ったろか
三度の飯が食えてそれ以上
何を望むかの言も聞き飽きた
偶の偶に手を差し伸べた人が
平気で消えゆくのを見るにつけ
信じるもんか
信じるもんか
愛は一生食えぬ者もある
甘い菓子の歌を覚えて
手探るように歌った
歌った
死ぬまで食えない
甘い菓子のことを思って
ひとつ覚えに
水が飲めれば
夜眠れれば
それでいいのだと唱えた
唱えた
飽き足らず今日も
幸福は降る
決して僕等ではない
誰かのもとへ