おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

幸福のない国

幸福のない国ならよかった

また降り時を間違ったろか

三度の飯が食えてそれ以上

何を望むかの言も聞き飽きた

 

偶の偶に手を差し伸べた人が

平気で消えゆくのを見るにつけ

信じるもんか

信じるもんか

愛は一生食えぬ者もある

 

甘い菓子の歌を覚えて

手探るように歌った

歌った

死ぬまで食えない

甘い菓子のことを思って

ひとつ覚えに

 

水が飲めれば

夜眠れれば

それでいいのだと唱えた

唱えた

 

飽き足らず今日も

幸福は降る

決して僕等ではない

誰かのもとへ