恋を綺麗なものと呼んだのは
むかしの物語でしょうか
そんな大層なものじゃないでしょうに
枯れてしまうのなら
その惨めさに耐えきれず
いっきに朽ちてしまった方が
ましよ
あなたも女ならわかるでしょう?
頭があちらに持っていかれる
快感を覚えてしまったら
もう生身の身体など
造作もないことね
友が斃れ
我が身もいつかと
この地はいつまで在るかと
思い致すことは山のように積み
枯れてしまうのなら
その薄汚れを晒すより
人知れず朽ちてしまった方が
ましよ
私も女だからわかるのよ
恋なんてそういうものでしょう?