おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

たとえば私の母が

たとえば私の母が

人より少し賢ければ

向こうと此方行き来するような

こんな子を導けたでしょうか

 

たとえば私の父が

あと少しでも優しければ

風が吹いても怯えるような

敏感な子でなかったでしょうか

 

たとえば私の生まれた世が

もう少し間口広くあったなら

病と呼ばれるものさえと

才としてくれたでしょうか

 

曳かれる気がするのです

すぐに苦しくなるのです

声が聞こえるのです

 

もう天より他無しとなり

それでもこの地で生きなければ

妥協のようにのらりくらりが

止まずにいるだけのことなのです

 

ずっとずっと恨みつづけた

母も父も世もすべて

如何ともし難い子だったのやも

そんな諦めを見るのです