おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

拗ね子

騒がしい外国の映画を

片耳に収めながら

古い棚に手を伸ばし

頭にも入らずパラパラ捲る

拗ねた子

 

一度も海を渡ったことがないもの

とても大きなことに思えるのは

自分への矮小が過ぎるから

いつ癖づけてしまったの

 

身を捩れば

周り何メートルかのことは

どうにかなるだろうけど

泣き喚けば

大人になったとはいえ

誰か聞いてくれるだろうけど

 

簡単に渡れる今の世に

身を閉ざすのは心持ち様で

どうしてここまで追い詰められているか

自分でも気づかないくらいでしょう

 

考えこんでいると

具合の悪い風に思えてくるから

無理やりにでも音を文字を

 

冒険は要らないから

ひとまず映画を消して

身体ごと捨てたいけどそれは不可能

胸が詰まる疑似に晒されすぎて

常態化した

 

幾つになっても変わらない

ページ捲る指先まで震えているような気がした

拗ねた子