おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夏の節

祭りの気配がするだけで

泣き出しそうな夏が来た

今年は雨も明けぬまま

暦だけでも夏が来た

 

蹲りな

苦しいのなら

それでも勿体ないななんて

思うの初めてじゃない?

 

終わりの予感がするだけで

泣き出しそうな夏が来た

めぐる中で一番好きな

暑く気怠い夏が来た

 

夕暮れなら

愛せる自信があるもんな

花火の赤黄に慣れた

盆も夏休みも潮香も

 

誰かが遠く呼ぶだけで

泣き出しそうな夏が来た

息災と手紙も出せぬまま

日常掻きむしる夏が来た

 

時節のメロディも幾つか

聞き憶えているでしょう

幸い好きにできる盛り

西瓜冷やして夏を迎えた