おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

辿れば悖る夏岸は

急に冷えたから

まだ気分は西瓜漁りの商店街で

帰らされるような気になって

土産も忘れた早九月

 

泣いて済ませた制服の

過ちがじわりと来るようだ

 

塗り替えることはできないと

悟ってからが長すぎる

今さら船に揺られたところで

待ち人なしの離れ島

 

身を縮めた草叢に

迎えが来ぬのを知っていた

日暮れ遅くて

夏などは始終昼かと思えていた

 

泣けど喚けど幼な子の

心はするりと癒えぬのだ

 

振り返ることで安らぎを

やたらと謳う者たちに

知れぬ船岸 この国で

最後に日が沈む島

 

盆を過ぎたら海行くな

多少の傷は浜流し

今は要らぬ教えばかり

押し来る

あぁこれが夏か

 

塗り替えることはできないと

悟ってからが長すぎる

今さら船に揺られたところで

待ち人なしの離れ島

 

誰も忘れる夏岸は