夢想に昂じれば
いよいよ現世は遠く
病なりなんなりの
良くて吟遊の者か
時の鐘は街の真中で
大きく知らせている
今何どきとそれではない
此処で生活を営めと
知らせている
時節に忠実
蒸す部屋と
歌にもならぬ小蠅まで来て
肌は赤く掻きむしる
そうやって引き戻せ
格好悪い物に塗れながら
あぁ生活を営むのだと
物語の中に入りこみ
懐かしみの Irish Music など
漏れ来ようものなら
愈愈連れてゆかれるだろう
ふんじばって此処にいて
いずれ詰らないと笑う迄
まだあちらへ行く作業と
死の区別がつかないうちは
知らせてくれ時の鐘
有難くも現実は
此処にあるのだと