急に降り出した
予報は見てなかった
現代にあるまじきずぶ濡れだ
君は優しいから
言えば駅まで
迎えに来てくれんだろな
カッコ悪いから隠したいな
こんなんじゃ愛とは言えないか
どうやったって理想より
暮らしが付き纏う濡れ鼠
ざまあないね
生き急ぐのも無理ないね
排水ポンプがぽこぽこと
割と近くに汽笛も
そうして布団を頭まで被った
もう気配だけで軽く儚める
君は優しいから
おかしいなんて言わない
それも申し訳なくてな
できればいい夢みたいな
昨日は散々だった
飛び立ったつもりが撃ち落される
何やったって理想より
低く収まる味気ない娘
見てらんないね
それが生き様になるなんて
まだ飽きもせず降るもんな
風流を感じられない体たらくになっても
空の下にしぶとく居るもんだ