おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

浜むこう

浜に出て

あなたを待つわ

少しおぼえた夕餉もできるわ

水導きのころ

素足ひたしてみるわ

 

ゆらり

舟が遠く見えた

ゆっくりと近づいて

頑なな風に酔い

手を振るだけよ

 

恋しがるは

世の境を飛び越えることが

できるのね

できるのね

そっと呼んでみるわ

 

砂に立ち

あなたを待つわ

おぼえたばかりの手縫いもできるわ

潮引きに紛れて

帰ってきてくれていいのよ

 

ふらり

眩むような

西の日を受ける浜で

いってらっしゃいの続きは

ただいまに限るでしょ

 

恋しがるは

時の境を飛び越えるはずよ

抱きしめて

抱きしめて

そっとそばにいてね