ただでさえ苦手な
狭い後部座席
煙草のにおいが充満して
荒く揺れる
吐き出しそうだって
言えなかった
いつから
はじめから?
苦しいなんて
言ってはいけない人が
この世には幾らかいて
自分もその1人だと
思いこんでいたのは
大人になっても変わらないのね
三つ子の魂おそろしいものね
ある時
背を擦ってくれた人
気づけなくてごめんねと言ってくれた人
怒られるのだと思っていたから
驚いてしまったの覚えてるわ
愛してくれなくてもいいから
そうか私
許されたかったんだ
愛されなくてもいいから
きっと私
許されていたいんだ