おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

夏なきあと

夏はもう行った また巡るからと 引き風のこして 終われずにいるのは みっともないかな 海が見たいな 声はする まだ声がする 幻聴でも 想像でも 夏の声がする 裸足になって 走る砂浜も 幻かも 伝わらなかったアレコレを 持ち帰らないように 声はする きっと声…

「絶縁」に寄せて

「絶縁」の3番は正直、描くかどうか迷いました。 というのも私は、マイナス方向の沈みこむ歌に、 急に取ってつけたようにポジティブが割り入ってくるのが大嫌いだからです。 安易に希望を入れないまま終わりたい、 「縁を切ってしまいなさい」という、その…

絶縁

悪い夢を見たのね とらわれているのね 朝の光も攻め入るわ この身に血は流れ 幾年重ねぬ 堕ちた感覚は帰らぬまま ―悪い夢を見たのね ―とらわれているのね ―拐かされているのね 閉じた心は戻らぬまま 人の縁は尊いものだと 綺麗な呪文に追い詰められても 大切…

嘆きの隣で

花を散らすの? 珍しいわね 束ねて供えるものだとばかり この土地の風習なのかしら 眠りびとと決めたあなたのやり方かしら 嘆きの隣にいる時には その嗚咽さえも羨ましく思える 嘆きの隣に立つ僕は何もない ただ心臓が 吹かれ花弁 どこへ行くのよ 弱き背中を…

止まない雨に、悲しいだとか

歪んだ世界を見ていた なんて愚かな声上げて世界を見ていた 泣きたくもなる まだ この空愛せるかな 一瞬も違わず痛む胸が この世界は止まない雨のよう 祈るような願いは 見てた 知ってた 答えもないまま 夢や恋に押し潰されて 歪んだ世界を見ていた なんて愚…

産声を上げた時の記憶が無いのは

産声を上げた時の記憶が無いのは 産声を上げた時の記憶が無いのは 何もかも分かったつもりにならないためだ 人熱 街の音に お前を刻む ともすれば驕る身に 卑しく脆き身に 己が正しいのだと 全ては浸れぬぶん 間違っているのだと 全ては責めぬよう 産声を上…

月夜懺悔

赤い灯を残すまで あなたが必死で駆けた町 誰も気づかぬそのうちに 戦は終わり世は清らか 命は尽きたのか まだ辛うじて形だけ留め だから誰も気づかぬまま 戦は終わりを告げた 黄色い月が昇るまで あなたが必死で唱えた呪文 誰も気づかぬ宵の内 妖は静かに去…

闇がくるまでの話

夜半、安心に変わる あぁよかった また変な時間に眠ったおかげで 恐ろしい暮れをやり過ごせた 今日は感じもしないまま いつの間にか過ぎてくれた 夜に押しつぶされそうなんて 笑っちゃいそうよ なんにも怖くないじゃない 闇に入ってしまえば優しいものよ 暮…

Rロード

すぐに泣いちゃったあのコを笑うけど 明日どころか今日は我が身よ 環七ぶっ飛ばしたけど 晴れる気も晴れない だって 安定も尊敬も矜持も罪も ごった煮にしてるみたい どうせ 傲慢も友情も卑屈も嘘も バレないし とっくにバレてる いったん帰って落ち着かせよ…

ひと思い ひと歌い

どうしたってこの世の実感は 受けられないようにできているの ただ虚ろなだけじゃない 狂っているわけでもない 誰も言ってくれないから ひとり言い聞かすに限る こじつけながらでも 日常をこなしてゆくしか 神と世を繋ぐ 負った使命の激しさと 人知れない虚…

問い降る夜

遠い遠い町からあなたは来ました それはそれは遠くて悲しくもなる What 's the world? Who's me? 遥か遥か彼方へ呼ばれる日も来るやも けれどけれど遠くて泣きたくもなる What 's the world? Who's me? What 's the world? Who's me?

ホッとチョコレート

甘い香りね ホイップ多めにしたホットチョコレート このあたりでホッとひと息 休んでいかない? 1人なのには変わりないわ 思い巡らすのも止められないけど ホッとチョコレート ひとときだけでも やわらかな空に あたたかい緑につながるような 時間がながれ…

世の一刻

目に映るものは全て毒 降る時は全て災い 閉塞は元々から備わり 可哀そうな生き物だと彼は言った 尊い歌は 感じる力のない者の前で歌われ 清い言葉は 意味を得ぬ者に届く 長けき子は 器無き親の元に生まれ 自らを失した この世は悲しいことばかりと 彼女は悟…

彼女の背

髪結い 部屋を後にした 姿は美しかった 彼女になりたかった 追い縋る男の手を払うまでもなく 気で払う なぜそこまで前を見る 風を切る 地球が味方するような 靡く髪も目も 細胞からほしくなるほどの可憐を 持っていながら要らないと言う もっともっと前へ行…

慟哭に寄せて

憎しみしか生まれない島へようこそ 長い旅だったわね 長い旅だったのに やっと行き着いた先が楽園とは限らない 悲しくもなるわね 淀みが見えた瞬間にこの世は閉じるのか 愛されないと決まるのは生の瞬間か死の瞬間か 草木は山々は水平線は 汚らわしいくらい…

love song

今までどこにいたの 1人で泣いていたの これからでも そこへ行って 抱きしめてあげたい love song… love song… 私のこと気にしなくていいよって突き放すけど この世で1番気になることだ 考えずにはいられない love song… love song… 安っぽい愛してるや わ…

熱の床

また熱にうかされてしまった もう平常を失わないと誓ったのに なんてことない のどの痛み ふらつく熱 誰にだって起こる凡事も一々一大事 誓いまで立てる様をまた 笑われるだろう 臥せるだけでは 世は晴れぬ 気づいた床が 朝か昼か 他の世界か 忘れてしまった…

雨上がりを好きになれない日

心の中で打ち鳴らした雨 想像だけで息も止まるほどだと怯えた だけど 実際の雨風を前にして やはり思考のほとんどは杞憂なんだと脱力する 自転車で駆け出したい昼辺も 教室に入れなかった震えも 確かに愛してくれた人も 幻ではなかったけれど 月日が経てば消…

夜が降る

夜が降る 夜が降る 見づらくて視覚が痛い 夜が降る 夜が降る 暗くもない夜が降る 「涙の中で優しくなってく 君を見てるよ 君を見てるよ」 貴方が笑顔を振りかざしたせいで 私はうまく泣くことができなくなってしまった だけど 幸せと呼ばれるものは 何処にあ…

光の下

むずかしい季節だね 僕はまだ足を止めることも進むこともできず “夢追い人” 響きだけ噛みしめて 煩わしいことは全て目を逸らすから 汗にまみれた放課後が きゅっと恋しくなるんだよ 夢見てもなお破れてゆく 繰り返す日々への勲章は いつかこの身いっぱいに注…

三つ葉のクローバー

子どもみたいに必死になって君が探す 四つ葉のクローバーはそんなに偉いの? それこそ子どもみたいなかわいい嫉妬から始まったんだけど 三つ葉のクローバーじゃどうしていけないの? 「なかなか見つからない」 残念そうに君はうつむく 「そうだね」って言い…

Paradise underground

地下に降りてゆくのに そこには楽園が待っている 狭いハコから漏れ来る音たち ドアを開ける 掻き鳴らせ さぁ歌え 聞くも踊るも好きに 泣いたっていいさ ただ見るだけの阿呆は1人もいない 熱が充満する ラララ ラララ 機嫌良く ルララ ルララ 嘆いてみたり …

夢かもしれない

夢かもしれない だって今まで誰が 夢じゃないよと ちゃんと在るよと 教えてくれただろう 夢かもしれない だって今までどうして 夢じゃないよと ちゃんと続くと 確信できただろう 夢かもしれない だって例えば ここのいま 現実だとして 本物だとしても 残るわ…

当たり前の呪文

何もせずに愛されるはずはない 何も成さずに認められるはずはない 当たり前の呪文を ただ思い出した駅のホーム なんとなく忘れてたのに 否、 それとなく押しこめてたのに 私をつくるものが どこにもないと気づかされる 一生、続くことは知っている 冗談じゃ…

がんばれ!地味子

がんばれ!地味子 今日も明日もきっといいコトなんてないわ 負けるな!地味子 どうせ続く日々 美しくも悲劇にもなれないのよ できればきれいなこと並べて夢見たいけどね うっすら気づいてる いーや、がっつり気づいてる 地味子にも今日がある だけどだーれも…

嗄れた声のはなし

ずっと声は嗄れていた 幼いころはたぶん違うけど 気がついてからはずっとだ 喉の奥にも何か詰まったような それが感情か身体かは 今からは探れない ひところ何も話さなくなった わざとわざわざ声を晒したくはない 恥じらう心も年頃だったろう 閉じてゆく思い…

熱を帯びたからだ

また熱を帯びたからだ 誰も愛せないようにできている 8時間の日常を過ごし 糧を得て 苛立ちに溺れる 咳をしても 1人、どころか ここに居るかも知れぬ 助けを呼んでも 涙に暮れても 慣れた線路の上に魂のせて 走れ 揺らぐ浮世の手土産に 1つ、節を覚えて …

すべて、あなた

街灯とトラックの光 私を照らすこともない 2人笑い合う時間はもう過ぎてしまった 運命も、人生も、すべて あなたで始まり終わるのに 私どうしたらいい 私どうしたらいい ふと振り返れば1人 帰り着いても1人ね どうしようもないなんて言う間に 何とか歩け…

先生

先生、私のこと嫌いですか 早く大人になりすぎた この虚しさをどうしたらいいのですか 先生、季節の風 青春の校舎は私にとって違和感の街 生きる意味の前に 生きてるかも分からないの とりあえず明るく振る舞えるけど 縋りつきたい その腕に 優しく笑う瞳の…

あのコは暗がりの中

あのコは暗がりの中 私は光の下 それはとても誇らしいこと だけど決して気分いいモンじゃない 教室の隅 うつむいたあのコ 何を思ってる? 笑い声に弾かれて 消え入りそうな視線 あのコの思いを振り切って 自分を守るので精一杯 私だって倒れ込みたい 今すぐ …