遠浅の影拾いが
得意呼ぶ暮れどき
ただに揺れ招く手が
本物かどうか
知らぬうちは
1人で海へ、行かんごて
夕焼け小焼けの鐘
素直に帰らん子供の
なんとか言い訳考えて
並べたとて所詮
浅知恵の界隈
呼ばれて海へ、行かんごて
躊躇いの放課後も
渡せない彼是が
積もって塵の山になる前に
せめて言葉だけでもと
球のように拾いに来る
放かして海へ、行かんごて
伝えは何も
美しの物語ばかりではない
古地図に
年寄りの戯言に
幾らでも浮いてくるでしょう
1人で海へ、行かんごて