おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

恋でもいい

息をのむことが

苦しさ以外で

あるのをはじめて知った

 

帰りみちは

交わした言葉を

何度も反芻した

 

格好のつかない毎日でも

海の色に沈みそうでも

思い出す声が瞳が

たまらなく立ち止まった

 

チャイムのかわりに波音が

 

あなたに救いを求めてはいけない

幼いながらに言い聞かせたけれど

光に見えてならなかったの

恋でもいいと思ったの

 

この世に生きる感情が

苦しさ以外に

あること教えてくれた

 

朝日バス待ち

冷えてきた気を

一気に吸いこんでみた

 

ふらついてばかりの身体でも

空に気が遠くなりそうでも

今日会えるかもしれない姿を

思い浮かべて浮かれた

 

目を覚ます遠くに船笛が

 

あなたのいる綺麗な世界に

入りこめない

此方にも呼べないけれど

隙間で触れあっていたいと

まるで恋かのように思ったの

 

光はいずれ帆を降ろしても

私の中に熱として残る

思い出になることを知ってて

そばにいたいと思ったもの

 

恋でもいいと思ったの