叩かれた痛みが引いても
船酔いに思い出すこともある
飯を食むにも
息をのみ神経尖らせた
明日が来るなどと
歌わないでくれ
押し込められた記憶から
いずれ溢れる喉奥の泥
それでいて吐けない苦しみが
付き纏ってゆく怖さがある
時代の所為に
世の所為に
幾つできただろう
明日には竦む足を
なんとか立たせていた
甲板は冷える
景色にうっとりするのは
知らん輩と
間抜けな客だけさ
時代移れど
世が変われども
佇む幼子の気さ
明日の希望など
決して歌わないでくれ