姿勢の悪い娘が
なぜか遣わされて来た
呼んでもない者に限って
この屋敷は
丁重に持成す癖がある
気働きのしない
此方苛立たせるために
来たのか
こんな季節外れに
小庭の果を
盗んだ罪を
擦ってやろうか
そんな企みも
沸くというものよ
昔ばなしに愛される
姫とは違って気怠いけれど
なぜあの人の目に入る
憎たらしい娘だ
焦って転ぶまで待つか
此方が倒れるが先の場合も
呪うくらいに
汚くはなったわよ
何十年の暮しで
明日には出てゆきなさい
念じても
策を以ても
あの人の目に映る其れは
違うのかしら