おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

荒れる波船

その船はひどく揺れた

でかい図体で激しく打ち

波を真横から見る羽目になる

愈々死の隣にいるのだと

 

人々は島に異様な憧れを持ち

長閑だと勘違いしている

そこまでの行程を無視して

綺麗なものには

簡単にたどり着けない世だ

 

後戻りもできず

洋上に放たれるのは

気が気でなかった

 

しかし脱したければ

海を越えるしかない

吐いても泣いても

思いどおりが1つもない

 

そんなことを忘れて

若しくは知らずに

島の美しきを愛でる

そんな人を見ると虫唾が走る

 

しかしそれは私の

一方的な思いであり

吹っ掛けるべきではない

ただ静かに念じていよう

帰らずとも暮らせる術を