後部座席で臥せていた
たばこの煙が充満して
窓を開けても消えなくて
怒られませんように
無事に帰れますように
誰かの肩に凭れるのが
愛されるより羨ましかった
いつかのバス
横目に見た人を思い出して
笑われませんように
家が少しでも平穏になりますように
弱ることは罪ではないけれど
一度そう思えば消えなくて
植えつけられたものは
想像だけでも軽く私を縛れる
強い身体を持たなくても
捨てられませんように
後部座席で臥せていた
たばこの煙がしみついて
今でも大っ嫌いよ