おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

文披月の送り

くちびるにそっと触れたけれど

もう冷たかったのよ

 

赤いライトが回って

宵闇の中に目まいがしたわ

 

爪先もなぞってみたけれど

もうしなびてしまっていて

それは私のほうかもしれなかったけど

今となっては分からないことだわ

 

誰かと居れば紛れるでなし

時が経つのも思いどおりは遠い

針がカチカチと煩くて

 

ひと通りの儀式を終えたら

眠ることもかなわず

吐いてばたぐらって

朽ちましょうか