おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

桜丘

どうしたって都会は汚いものだと

思いこみがあるじゃない?

そんなことなかった

急な坂のぼれば

並木と穏やかな道

 

最初は1人では入る勇気が出なかった

プラネタリウム

酔うほど通った

大人びた所為の学生時代を

取り戻すように

図書館で浸った

 

たとえば道1本先に

国道が走っていたとして

今ここが好きな空間なら

息ができると思ったのよ

 

未だ文明の届かない

どっかの田舎より

よっぽど空気いいわ

 

関門海峡で長年足止め喰らってる

新しい時代の概念たちも

いつになったら着くことやら

 

でもね もういいの

知らない

もう住まない町のことなんて

ついつい愚痴は尽きないけれど

馬鹿馬鹿しく思えるまでに

 

都会に来られてよかったと

押し出されるように

逃げ来るように

理由は何であれ

 

人生には幾つもの間違いがあるけれど

珍しく正しい決断をしたと

思える今

桜丘