おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

朝靄

朝鏡には呆れる

さびれた女がひとり

身体もいつから弱りに弱って

元々強い者ではないから

気づかぬうちに坂も下ろう

 

前を向けと生きる人は

今ほど若い日はないという

それもそのはず

分かってはいる

ただただ身にしみていないだけ

 

靄に紛れて苦を運ぶ

この朝を

この日一日を

過ごすだけで過ごすだけで

精一杯だとか

 

そんなことを考えるだけで

暮れる者

 

朝鏡に

さびれた女ひとり

愛は遠く離れて知る

その時にはもう居ない

 

抗いもしないわ

分かっているから