おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夜半の写真

今はもうこの世にいない人が

写っている写真を一瞬でも見てしまうと

ざわついて治まらなくなるのは何故だろう

 

愛した人でもない

思い入れだってない

なんなら憎むくらいの

 

だからこそ

人が居なくなるということ

それ自体の意味を

冷静に見つめようとしている

 

愛や温かさと離れたところで

めぐる時と命の話を

独り言つ

 

そんな使命がある気がして

いいえ、ただの寂しがりやのこじ付けにも思えて

いつでも覆いかぶさる感情に思考に

やられているんでしょう?

 

ともかく冷静に眠れそうにないわ

昼夜もなく眠る所為よ

そして夜半に思い出の片づけを始めるもんだから

いらない物を見てしまうの

 

たとえば命あること自体が

温かさだというのなら

どれだけ苦しくて惨めでも

有難う、と呟きながら眠りに就くの?

 

なんだか理不尽が増すから

どうか捻くれる方向でお願い

どうしたってやって来る後悔を

なるたけなるたけ、少なく収められますように