おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

仮初てゆこうか秋祭り

秋祭りはきっとない

その気になっているだけで

そろそろと通り過ぎる葉

本当は誰も見たことがないでしょう?

 

見上げては赤黄を愛でる

淡く煙に巻かれてゆく

夏祭りはもしかしたら

あるのかもしれないと可能性を残して

 

だけど秋祭りはきっとない

神輿の仕舞われた先を

カラカラ鳴らし行列の下った後を

誰も見ていないでしょう?

 

桜通り

ほがらかに春の息吹は

きっと本物

 

枯れ落ちて後

キンと冷える冬の空気は

それも在るもの

 

ただ秋祭りだけはきっとない

その気になっているだけで

そうね通り道は大体

夕刻に開くものでしょう

それに似て

 

秋祭りはきっとない