真っ暗な空に花火が映える
良いところなんてそれくらいよ
それも穏やかな心持で
見られる町ではないし
みんな夢の見過ぎなのよ
老後に田舎町でゆったりと
なんてあるわけないことは
頑なに言い続けるからね
例えば潤沢な金を持ち
土地と家屋を手に入れたとて
その周りに住む者達は
選べないわけだから
悍ましいのよ
僻地に行けば行くほど
自然は深まり空気は澄むけれど
原始的な環境が残っていながら
人間の頭の中、社会だけが
文明刷新されるなんて
都合のいい話はないのだから
勘違いしないで
都会の人間関係に疲れたという人が
田舎でやっていけるわけがない
TVで見るそれは余所行きの顔
旅で感じた愛は旅人ゆえ
あぁあの花火さえ
人々の嫌味と冷たい目に
思い出せば霞むだけよ
自分ひとりを生きているはずなのに
家に地域に同化する
させられる感覚は抜けないもので
おかしいと気づくのも難しいもので
排他も陰険も圧力も
男尊女卑さえ
武勇に語られる
気が狂っているとしか思えない
その感覚が強く罷り通る
恐ろしい場所よ
悪いことは言わんから
止めておきなさいな