おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

迷い子の心知らず

傷を残すどころか

何も残さなかったことが

貴方達の罪

 

争いのない国に生まれ

朝夕の飢えを知らずに生き

何を横着なと言われそうだけれど

 

あたたかな物語は

物語の中だけですか

それなら知らせずにいてくれればよかった

 

きつい階段を上れば

バス停の先に墓石が並ぶ

急拵えの念を唱えても

伝わらないだろうに

形だけ覚える

 

輪廻の中にいたとして

思考が頗る働き者で

どうしたものかの迷い子

愛に迎えられる気配もない

 

傷が治ることも

時が過去を溶かすことも

覚えた

知識として

 

なぜ身に落ちないのだろうと

考え考えつづけた時に

行きつく場所が無いことが

貴方達の罪