おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夏越

夏越には力がいるわ

一寸手を貸して頂戴

いいえ、何をするでもなくて

精神上の話です

 

気の移りは

少しの雨宿り

化かされぬように心して

 

気の滅入りは

まるで嫁入り

目覚めれば連れていかれた後、

なんてことも

 

夏越には花もいるわ

植わったそばから捥ぐのもね

いいえ、あるだけで十分よ

此方の世の話です

 

形式ばったことだけでは

越えられぬものね

特にこの節は

 

思い祈りの類だけでは

過ぎ去らぬものね

特にこの呪は

手強いから幾人かで

 

夏越には恩もあるのよ

だから邪険にはできないわ

そっと目瞑って辿るのよ

 

あぁ今年も何事もなく

若しくは何かあった時には

なるたけ安らけく過ぎ

気づけば越えていけますように