床に臥せることに慣れだして
世間ずれにも項垂れるころ
気づいているだけ良いでしょ
自分で励ましてみる
遠い手紙に綺麗な文字
この時代に大したものね
昔なじみの欲目かな
春日もさして
あやふやな形でしか
愛せないのよ
この先も
今日や明日の天気より
息はつづくのかしら
寄せて返す波を描くとき
音も息づかいもよみがえる
流行りの歌とは違うでしょ
自分たちで見聞きしてきたもの
手紙の2枚目ににじんだ文字
距離も時代も超えるものね
走馬燈など要らぬから
春日には浜に出て
あやふやな形だとしても
愛したいのよ
この先も
明日明後日の理想さえ
描くのに根のいるものだもの
起きあがった狭い床で
あと幾つ呟けるかしら
世は虚しと吐きたい時ほど
春日はさして