おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

刻の唱歌

子の刻過ぎて

少し前なら

ほのか灯りも消えていたわ

 

歩きなさんな

そんな真暗に

人あらざる者も湧き出でる

 

咽が痛めば

これは病か

生き死にに係るものか

探る世で

 

少し前なら

蜜舐めて

慰めたものでしょう

 

騒ぎなさんな

こんな浮世に

不老不死などあるわけなし

自分の好きに逝けるでもなし

 

丑の刻には

社殿を行き来

呪い通して救い求めて

 

灯すわ提燈

泣きなさんな

行けば地獄と決まるでなし